ベストセラー bestseller 2005 8 30
超人気作家は別として、
本を、大ヒットさせるには、中学生レベルで書くこと。
高校生レベルで書いたら、あまり売れない。
大学生レベルで書いたら、自分の教え子に売りつけるしかない。
「そんなはずはない」と思った人は、
押入れから、高校で使った教科書を出してみてください。
高校の現代国語で使われている作品は、格調が高く、名文です。
教科書で使っている文章は、こんなに難しい文章だったのかと思うでしょう。
政策を、大学生レベルで説明したら、ミニ政党になってしまいます。
高校生レベルで説明したら、中小政党です。
大政党にするには、政策を、中学生でも、わかるように説明することです。
ベストセラー bestseller 2004 9 5
本をベストセラーにするには、中学生レベルで書くこと。
これが、今の基本法則です。
なぜか。
それを説明しましょう。
ここに、有名な文学作品を紹介します。
「智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
兎角に人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。
どこへ越しても住みにくいと悟った時、
詩が生れて、画が出来る。」
(夏目漱石 「草枕」から)
この本は、私が高校2年生の時、夏休みの宿題だったのです。
暑い中で、大汗をかきながら、読んだ記憶があります。
今、この本は、売れていないでしょう。
書店に行ったら、この本は、小さな書店にはなく、
大きな書店でも、奥の方に、さびしく、目立たない場所においてありました。
日本を代表する作家で、しかも、代表的な作品が、
この有様では、日本は、とても文化国家とは言えません。
今、日本では、文学は死亡していると思います。
文学を書く作家は生きていると思いますが、
文学を読む読者は死んでいると思います。
いや、作家も怪しいのです。
売れる本にしたいから、
中学生レベルで、本を書いている感じがします。
これで、いいのでしょうか。
確かに、日本は技術立国です。
しかし、それでも文学は必要です。
いつの日か、本当の文学作品がベストセラーになる日が来ることを祈っています。
何世代にも渡って読み継がれるような文学作品が出てくることを祈ります。